断熱材の長期性能に関して,マテリアルライフ学会において,総説賞をいただきました

JIS A 1491「建築用断熱材の長期断熱性能の収束値評価方法」の委員メンバーで執筆したレビュー論文について,マテリアルライフ学会より,北垣が総説賞をいただきました。ありがとうございます。北垣は発泡プラスチック系断熱材の長期性能の部分を執筆させていただきました。ここでは,断熱材の長期性能評価に関する国内国際的な研究動向をベースに,繊維系・発プラ系の区別なく,断熱材の長期性能を評価する試験方法などを整理しています。(私のパートである発泡プラスチック系断熱材のパートでは,断熱性能の長期性能をどのように考えるべきか,といったことも少し整理しています。)

建築物における省エネ性能がますます重要視されている昨今ではありますが,その研究フィールドは,建物に断熱材が設置されたあと,「建物としての断熱性能」をシミュレーションする環境系の仕事と,建物の中におかれた断熱材が長期的にどのように変化し,どのようなメカニズムによるものなのか,さまざまな因子(温湿度・通気・壁仕様など)の複雑な組み合わせとして理解し,整理・研究しようとする材料系の研究に分業されつつあるような気がしています。さらに,断熱材の性能が変化するメカニズムは,従来の因子(温湿度,通気,壁仕様)の組み合わせやパラメータの強弱が多様化しており,材料科学的なアプローチがさらに求められているように感じます。一方で,繊維系・発プラ系よらず,断熱材の長期性能評価に関する一連の研究の推進によって,長期性能を維持しやすい設置仕様・工法なども,少しづつわかり始めているような気がします。

北垣が発泡プラスチック断熱材の研究を開始したのは,5年前になります。当時は,建設系高分子(塗料・接着剤・防水材など)を紫外線劣化・熱劣化を中心に研究を進めていたところで,断熱材のことは,ほぼほぼ頭にない状態でした。そんな時に,Rオロジーの先生から,研究公募の情報を教えてもらい,樹脂発泡体というテーマにのめりこみ,劣化だけでなく合成にまで手をのばし,長期性能のJISを作るお手伝いをさせていただき,それがつながって,このたびのレビュー論文で賞をいただけるとは,正直思っていませんでした。ありがとうございます。今後も,この業界の発展と課題解決のための研究にまい進していきたい所存です。

題 目:建築系断熱材の長期性能の評価に関する研究
マテリアルライフ学会誌 Vol.37,No2,p.25~31(2025)

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